Jim Manningという、サウスパーク・ハイスクールのゴルフコーチが、私のところにやってきたのは、1952年の春のことでした。Jimはテキサス大学の私の選手の一人で、彼と再会することはとても楽しみなことでした。
Jimはそのとき、Ed Turleyという、ヒューストンのメモリアルパークで行われた州の高校の大会で3位に入った少年を連れてきていました。Edはヒューストンから二人のとても素晴らしい選手たちの後塵を拝したのでした。一人は、後にRice大学のスターになるJohn Garrett、もう一人はテキサス大学の私たちのチームに入った後、South West Conferenceでは負けなしだったKirby Attwellです。
Jimは地階にある私のプロショップに降りてきました。彼とTurley少年は、その朝、古いAustin Lionsの市営コース(その当時は私たちの町の中では一番のコースでした)をプレーしてきたところで、Jimは私に練習場へ行って、彼の生徒がボールを打つところを数個見て欲しかったわけです。
問題は、雨が降り始めたことでした。
雨中を外に出る代わりに、私は若いTurleyにクラブを渡し、「グリップを見せてご覧」と言いました。
少年は、彼の父親やJim Manningが彼に教えた通りに、両手のV字(訳者注:親指と人差し指の付け根で作られるVの字のこと)が彼の右肩を向くように、クラブに手を置きました(訳者注:ぺニックさんは、グリップをするときに「にぎる(grip)」という動詞を使うのを嫌っていました。常に「置く(place)」と表現されています)。彼の両手は、まるでクラブに溶け込んでしまいそうでした。良いグリップは、コンサートのピアニストの手のように、明らかなクラスを示します。良いグリップを見ると、私は大変嬉しくなります。
「キミのようなグリップを持つ選手は皆、すでによいプレーヤか、もしくはテキサス大学を出る頃には、そうなっているだろうね。私はこれから、アスレチックディレクターのD. X. Bibleに、キミをアスリート用の寄宿舎に入れてもらえるよう頼んでくるよ」と私は言いました。
Turleyは、Davis Love Jr.(訳者注:Davis Love IIIの父親。テキサス大学でぺニックさんの教え子だった。不慮の飛行機事故で亡くなった直後の全米プロで、息子が勝利したのは有名な話)のルームメイトになり、私のチームにその後4年間在籍しました。
30年後、Edは弁護士として成功し、彼の息子Gregを連れて、大学めぐりをしました。GregはAustin High Schoolを卒業したところでしたが、彼はバージニアか、ノースカロライナのよい学校に入ろうと思っていました。
Edは彼の息子をワシントンの空港でピックアップし、Burning Tree(ミシガン州にある難コース)へ車を走らせて、そこのプロであるMax Elbinにプレーさせてもらえないか頼みました。Maxは丁寧に応対しましたが、コースには連れて行こうとしませんでした。彼は、もし、差し支えなければ、日曜の朝にもう一度来てもらえないかと言いました。
日曜の早朝、EdとGregはBurning TreeのプロショップでMaxがオフィスに出てくるのを待っていました。
Gregは棚にあったクラブを触ったり、選んでは、それをワッグルしたりしていました。Maxは彼のオフィスのドアを開けて、「申し訳ありません。今日は本当に混雑していて、どうすれば・・」と言いかけました。
Maxは話すのを止めました。彼は、若いGregがクラブを触っているところに気が付きました。
「キミのようなグリップをしている人は誰でも私のコースでプレーできますよ。クラブを持って、ティへ向かってください」とMaxは彼らに告げたのでした。
EdとGregは、彼に感謝し、スタートしました。しかし、Maxは彼らを止めました。
「ご存知の通り、第二次世界大戦の間、私はAustinのBergstrom空軍基地に駐屯していたんです。」とMaxは言いました。「私は、古いAustin CCに立ち寄って、ハービー・ぺニックさんに、彼のコースでプレーさせてくれないか頼んだことがありました。ハービーは、Noと私に言ったのです。」
「でも、私が去る前に」と、Maxは続けました。「私はプロショップにあったクラブを触って、グリップをしたり、クラブのしなりを確かめたりしたのです。すると、ハービー・ぺニックさんは、私のところにやってきた。私は、彼が私に早く出て行くように言うのかと思ったのです。」
しかし、私がMaxに言ったことは、「ねえキミ、キミのようなグリップをしている人は誰でも、私のコースでプレーできるよ。クラブを持って、ティに向かいなさい」でした。
Edは私に、Edが実は大学で私のチームでプレーしていたこと(訳者注:ぺニックさんは「私のためにプレーしていた」と表現しています)をMaxが聞き、MaxがBurning Treeでプレーさせてくれただけでなく、プレー代をただにしてくれた上、昼食にも招待してくれたことを話してくれました。
良いグリップをしていると、こんな恩恵もあるのですね。
【本日の表現】
・pick up one's tab:奢る、無料にする、ご馳走する
・attorney:弁護士
・obvious class:(意味的には)とても素晴らしいレベル
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